転職時のカウンセリングだけでは、失敗パターンは修正できない

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これまでの説明で、プロたちが転職時に何を見ているのかについては、つまるところ自発的なのか他責的であるのか、軸が明確なのか不明確なのか、外面的な要素よりも内面的な要素を重視している、ということがわかっていただけたと思います。

言い換えれば、失敗パターンに当てはまっていないことが重要なわけです。

それでは、もし自分が失敗パターンに当てはまっていたとしたらどうしたらいいのでしょうか。失敗パターンについて、修正は可能なのでしょうか。まずは、キャリアコンサルタントが、失敗パターンにどのように対応しているのかについて説明します。

キャリアコンサルタントが失敗パターンに対応する方法は、大きく分けると2点に絞られます。

第一点は、失敗パターンと言っても程度が軽い場合です。程度が軽い場合は、まず転職理由の修正を行ないます。失敗パターンの場合、転職理由は現状への不満になっています。

しかし、採用面接に行って転職理由として現状への不満を挙げれば、面接に合格する可能性は限りなく低くなってしまうでしょう。

そこで、キャリアコンサルタントとしては、現状の不満ではなく、前向きにやりたいこと、できること(つまり明確な軸)に基づく転職活動に修正できるよう、支援してあげることになるわけです。

第二点は、失敗パターンがかなり重症である場合、つまり他責的であり、軸が不明確な場合です。この場合は、前にも述べましたとおり、「いったん転職は諦めて、現職で成果を出すべき」とキャリアコンサルタントはアドバイスします。

本来なら、そうアドバイスするだけで、キャリアコンサルタントの仕事は終了です。そもそもの仕事とは、転職を成立させることなのですから。

キャリアコンサルタントは、キャリアカウンセラーや産業カウンセラーの資格を持っている人が多く、本来の仕事ではなくとも、なんとか失敗パターンをカウンセリングの中で修正してあげようと試みる場合があるそうです。

まず、キャリアコンサルタントが試みることは気づきを促すことです。失敗パターンの人の場合、キャリアコンサルタントと話す時点で、すでに2、3回の転職経験があることが多いのです。

そこで、キャリアコンサルタントは、それぞれの転職理由を聞いていきます。

たいていの場合、周囲の環境が原因であり、自分に落ち度がないと考えています。

そこですかさず、キャリアコンサルタントは、「これまで、そのような理由で転職されてきました。今回、転職を希望されている理由も、これまでと同じように感じます。転職できても、また同じことを繰り返してしまうのではないですか」と問いかけるそうです。

なかには、この問いかけで「はっ」と気がつく人もいるそうです。ここで気づきがあった人は、失敗パターンから抜け出す貴重な第一歩を踏み出したわけです。

しかし残念ながら、この問いかけで、気づいてくれる人は非常に少数だそうです。

なぜなら、他責的であるということは、アドバイスを素直に聞き、自らに原因を求めるという心の動きと正反対な傾向を持っているということだからです。

つまり結論としては、キャリアコンサルタントによるカウンセリングだけでは、ごく少数の気づきがあった人を除き、失敗パターンの修正は難しいということです。

カウンセリングも長期的に行なうことができれば、結果は違ってくるのでしょうが、人材紹介会社で行なわれる面談の目的は、あくまで転職を成立させることです。たいていの場合、2回か3回程度しか行なうことができません。

また「現時点では転職を諦めて」と聞いたとたんに、それならもう必要ないと判断し、二度と面談に来なくなることもあります。

いずれにしても、短い期間の中で失敗パターンを修正するのは非常に困難なことなのです。

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