転職のプロたちが教えたくない禁じ手

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失敗パターンの修正に時間がかかることはわかりましたが、そんなに時間をかけたく
ない、という意見もあるのではないかと思います。

しかしキャリアコンサルタントにそういう意見をぶつけても、「職務経歴書の書き方、面接のテクニックなら教えることはできますが、あなたのいまの状況の根本的な修正はすぐにはできません。まずは、現在の職務でがんばったらどうですか」と言われてしまうのではないでしょうか。

では、プロたちが教えたくない、また教えてくれない、手っ取り早いノウハウはあるのでしょうか。実は、禁じ手が存在するのです。禁じ手とは、自発性と軸を偽装することです。

これまで述べてきたことは、結局プロたちが注目するポイントとは、外面的な要素よりも、他責的か/自発的か、軸が明確か/不明確か、という2点である、ということでした。

裏を返せば、外面的な要素を取り繕うより、自発的で、軸も明確である、という2点を偽装してしまえば、プロたちは評価してくれるということになります。

しかし偽装することなど、可能なのでしょうか。率直に言って、偽装できた人を見たことはありません。行動面接で、過去の業務と実務の実態を詳しく聞いていけば、それを完全にごまかすことは、ほぼ不可能だと思われます。

また人事の採用担当者は、他責的な傾向を警戒していますから、それに該当するのではないか、という点を注意深く質問してきます。

ただ、キャリアコンサルタントの中には、偽装は理論的に可能ではないかと考える人もいました。他責的な傾向と思われる発言は一切しないよう予め訓練しておき、とにかく前向きに発言するように心がける。

いままでの業務経験の中で自発的に行動してきた例を、拡大解釈してむりやり用意する。そして、希望する転職先で行動面接がたまたま使用されていないという状況になれば、偽装はまったく不可能なわけではない、ということです。

それにしても、偽装がうまくいく可能性は極めて低いと思われますが、考えていただきたいことは、偽装などすると本人がいちばん損をするということです。もし自発的なことと、軸の明確性を面接で偽装できても、実際に職務を始めれば、職場ではすぐにわかってしまうことです。

キャリア採用の人への職場での期待は高いものです。ところが期待と大きく食い違っていることがわかれば、職場は失望し、その人の信頼は失われます。その職場で業務を続けることは難しくなり、すぐに転職活動を再開することになってしまうでしょう。

つまり、偽装すると、失敗パターンの状況をより悪化させてしまうことになるわけです。

こうした理由で、プロたちはこのような禁じ手は一切教えない、ということになります。手っ取り早い方法を目指すと、それなりのしっぺ返しがあるわけです。むしろ、地道な努力で、時間がかかっても成功法則を目指すほうが、結局はいちばんの失敗パターンからの脱出の近道と言えるのです。

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